7日の米・雇用統計の発表がありました。先の方向を決める重要なイベントです。
- 5月の非農業部門雇用者数変化は前月から大幅に悪化。予想+18.5万人、結果7.5万人
- 5月の失業率は横ばい 3.6%(予想も同じ)
- 5月の平均時給は予想+0.3%、結果+0.2%
非農業部門の雇用者数変化は悪化が目立ちました。これを受けて通貨、株価指数は
- ドル円 瞬間的に108円を割る。現在 108.19円
- 米株価指数(先物)、序盤は軟調、徐々に上昇、引けまで強気の上昇
- 米10年債利回りは2.084%、雇用統計の直後に更に下落
- 日経平均先物価格では2万1千円を回復
難しい。人間たちは何を考えているのかさっぱりだ。
大方の見方としては指標悪化の内容から利下げへの期待が高まる、債券の利回り低下、株高へと言うことだろうか。
年初から低下が続いた米10年債利回り、取り分け5月の動向を見ると10年債利回り低下、株安は連動しているかのようでした。ところが昨日は袂を分かったかの様に一方は上がり、一方は下落。
そもそも雇用統計に関しては昔から内容が良くても悪くても上がったり下がったり。1年前、2年前はFRBが利上げをしていた時期、前月より内容が悪ければ、利上げペースが遅れるのではとの思惑から株高へ、となることもありました。
雇用統計についても非農業部門の雇用者数変化は確かに悪化したけれども失業率は引き続き低水準。アメリカの雇用は引き続き状態が良いと見るべきなのでは。
一方が上がり、一方が下がった現象はドル円と日経平均(先物)の動向も同じく。ドル円急伸。円高が進めば日経平均(先物)も下落、これが一連の流れだったのに昨晩は2万1千円に回復。
米・S&P500指数チャートと値動きのシナリオ。
(1)のパターンになるなら、CFD取引で下げたところで買いエントリー。(2)の様に100pt前後で上げたり下げたりする状況なら投資信託や米株、CFDは基本静観。次の展開待ち。CFD取引は場合によっては売り。
S&P500、ナスダック100、NYダウいずれにしても、4月の天井から5月の急落、でももう半分戻してるんですよね。何を買うにも今からそんなに値幅は取れない予感。
S&P500指数が2018年の最高値をぶち抜いて3200pt、3300ptまで急伸する可能性は?
無いと思われる。でもそれくらい誰も想像しないシナリオのほうが現実には当たるのかもしれないね。
ちなみにzacksの「stock market outlook」定期的に見ていますが、ブルームバーグがまとめたストラテジストのS&P500の2019年末の予想平均値は2,975pt。zacksがフェアバリューと考える値は2,870pt。7日のS&P500指数の終値は2,873.34pt。
そうすると余力のある無しを別にして、どんどんこれから買っていこうと考えるよりも、むしろ幾らかポジションを清算し余力に転換、次の買いの機会を探る、としたほうがいいのではないかと思われる。
上値は限定的、上がりくいが突然の急落は起きやすく波乱含みの展開は今後も続く、と予想します。