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ブルームバーグやWSJでもいい。またはMarketHackやバロンズ拾い読みでもいい。
さて何を買おうかと迷っていたところに、この銘柄は十分に上昇する余地があるなんて目にすれば乗ってみたいと思う人もいるのではないでしょうか。
今日は私が使うzacks.com について解説します。
基本の使い方はティッカーで検索するだけ。アップル(AAPL)やアマゾン.com(AMZN)などを入れてみれば、zacks.comによる投資判断が確認できます。
一番重要なのは5段階評価のZacks rank。1 strong buy、 2 buyは買いを推奨。3 holdはホルダーならそのまま。4 sellや5 strong sellは売りを推奨。
ティッカーで調べて1か2なら買い。それを持っているだけでインデックスをアウトパフォームできるならなんて楽なんだと言う話ですが、はい、いろいろ癖もあります。
近頃、米国株界隈もかなり多方面に研究されてる方が多くて刺激を受けた次第。触発された格好にはなりますが、私も自分の体験を共有してみようと思います。
zacks.comの運用パフォーマンス
zacks.comより引用
1988年に1万ドルで株式投資をスタート。投資対象としてzacksの1 strong buy銘柄を選好していれば、現在までに1万ドルは860万ドルに。
zacks.comより引用
年間のパフォーマンス比較。左から2列目がzacks rank 1のパフォーマンス。一番右がS&P500。zacks rank 1の年間平均リターンは+25.30%。
去年の3月頃よりzacks推奨銘柄にてポートフォリオを作成。
かろうじてインデックスをアウトパフォームしました。
zacksは銘柄の投資判断を提供するのみ※で、例えば100万円あったらなら何に何%の割合で投資しなさい、こう言った助言はありません。
ですので、zacksを使う人によっても運用成績が一様ではありません。私の場合も一例としてお考えください。
※有料会員、上位プランの利用者になるとポートフォリオを指南してもらえるサービスもあるようです。
強いセクター(業種)を選ぶ、その中で強い銘柄を選ぶ
zacksのトレードはトップダウンアプローチです。
セクターとはテクノロジー、金融、エネルギー、ヘルスケアなど業種ごとの区切りを指します。セクターの中にサブセクター、金融であればその中にメガバンクや地方銀行と言った区切りもあります。
zacksではこのセクターを順位付けして上位のセクターを選好する様に勧めます。
更にそのセクター内で最も強いとされる銘柄、これがzacks rank の1、2に該当する銘柄になります。
配当利回りが高い、且つzacks rankが高い銘柄もありますが、基本的にはキャピタルゲイン、株価の値上がり益を狙った投資です。
株価がなぜ上がるのか → EPSの見積もり変化
株価がなぜ上がるのか、または下がるのかと思う方もいるでしょう。
諸説あるとは思いますが、zacksではEPS(1株当たり利益)の見積もり変化を挙げています。
時として1年間で倍近く値上がりする銘柄もありますが、背景にあるのはEPSの見積もりが大幅に改定されていくためと考えます。
その見積もりは誰が出すのか?これはヘッジファンド、セルサイドアナリストの集計によるものです。
インデックスをアウトパフォームすることは必要?
ここからは私の主観的な内容を含みます。
そもそも個別株に投資する必要があるのか?ですが、私は個別株の個々の損益よりも全体で見た損益に重点を置きます。
これはどのトレードでも全戦全勝を狙うわけではなく、10銘柄に投資すれば、2,3の銘柄は損失が出るかもしれない、それでも全体の損益で見た時に成果が出ていれば良しと言う考えです。
昨年から今年にかけて言えば、zacks rankの有意性が確認できる銘柄は確かにありました。ウルトラクリーンテクノロジーズ(UCTT)、ケマーズ(CC)、マイクロンテクノロジー(MU)、今年ではデンビューリーリソーシズ(DNR)が特徴的な上昇を見せています。
一方で買いを勧めがら、後の決算発表でその銘柄が急落したり、大きな値動きが無いまま時間が経過してしまったと言うこともあります。公平な視点で書けばzacks rankは完璧ではありません。当たり外れのあるシステムです。
ただ急騰する銘柄を当てる確率で見れば個人でスクリーニングをかけるよりも、ずっと高い印象を持ちます。
株式投資によって利益を得られる期間が無限ではなく有限であるなら、いかにその利益を最大化させるかと言う視点もあってもいいのではないでしょうか。
自分でファンドを組成するならどうあるべきか
よく〇〇10種とありますが「10」であることの合理性は私には感じられません。また資産が大きくなれば、その10分の1としても数百万円単位になります。
どんな銘柄にも潜在的に10%~20%と下がるリスクを考えるなら、15銘柄、20銘柄に分散するなどして、広範に投資対象を分散することを勧めます。投資信託やETFを併用して、一企業への投資する金額の割合を減らしてみてもいいかもしれません。
セクターの分散については中立を示します。
テクノロジー、一般消費財、エネルギー、金融、生活必需品、医療など投資対象を広範囲にしたほうが、リスクは低減されると思うところもあるかもしれません。
確かに局所的に一つのセクターが大きく売られる状況は起こります。代表的なところだとエネルギーセクターが2014年、2015年と大きく売られる時期がありました。
バイオテクノロジー株が売られる局面もありましたし、半導体株が売られる時もあります。
ただ負の側面に限らず見てみると、2018年前半では好調なテクノロジー株の比率を高めておけば、かなり良好なパフォーマンスが出せたことになります。2018年後半であればエネルギー株の比率を高めておくことが成功の鍵となるかもしれません。
そのため現時点はこうあるべきと言った回答は控えます。
メンテナンスの頻度はどうあるべきか
買っておしまいではなく、定期的に経過を見ていく運用です。zacks rankも短い期間で変動します。最低でも週一で値動き、zacks rankは見たほうがいいと思います。
稀に1 strong buyで勧めていた銘柄が4 sellが5 strong sellに切り替わる場合もあります。
多くは1 strong buy から2 buy、3 hold の間を循環します。
3 holdにランクが下がった場合は乗り換えたほうがいいのか、単語の示す通りholdでいいのかは、zacksとしてはできるだけこのzacks rankが1と2で埋まった状態を維持してくださいとのこと。
時価総額に見るリスクの把握
zacksの定める小型株、中型株、大型株の定義は以下の通りです。
小型株:時価総額が10億ドル未満
中型株:時価総額が10億ドル以上100億ドル未満
大型株:時価総額が100億ドル以上
zacksではMarket Capacityに時価総額の記載があります。10.00B(billion)とあれば時価総額が100億ドルの企業です。
米国会社四季報に掲載のある企業は基本的に大型株が中心です。一方のzacksは極めて認知度の低い銘柄であっても推奨銘柄になることがあります。
小型株になると証券会社で取り扱いがない場合もあります。
値動きの傾向としては小型株のほうがより大きく動く傾向があります。慣れない内は資産のごく一部、極めて小さい比率で買ってみることを勧めます。
売り時はー、いつ利益確定をするのか
任意で良いと思います。
一応、売り時を示すサインもあります。Style ScoresのMomentumまたはVGM 総合スコアがDかFになった時は売却を検討してください。
ただこれは逆に考えるとMomentumやVGMスコアがC以上の時はずっと持ち続けるべきなのか?と言う疑問にぶつかります。
短期的な視点で見れば株価指数が軟調な展開であれば、どんなに買いで勧める銘柄も値を下げる可能性があります。そうした時にはあまりルールにとらわれず利益を確定させるのも有効と考えます。
決算発表とはどう向き合うか
長く持ち続ければ上がる相場ではなくなった
2017年2018年の傾向としては、かなり浮き沈みが大きくなっています。いい側面ばかりではなく、決算発表を通過して10%、20%の下落、こうしたことも実際経験しています。
上の売り時とも重なりますが、決算発表を前に一度売却して利益を確定、決算発表後にもう一度再エントリーするのも方法の一つとして有効と考えます。
いかがでしたでしょうか。個別株に投資すると言っても
・何を買うのか
・いつ買うのか
・いつ売るのか
・他とどう組み合わせるのか
・今の投資環境にどう対応するのか
考える点はたくさんあります。今回はその中で何を買うのか、その銘柄の選定に海外のサイトを活用してみてはと言うお話でした。
コメント
何気に初コメです(笑)
こういうサイトの紹介はめっちゃ為になります!
試しに今自分が保有してる銘柄をチェックしてみたところ、1,3,3だったのでちょっと安心しましたw
Nさん、おはようございます。
ブログ拝見してますよ(^^)
zacks rankで自分の銘柄の診断結果が見られるのは面白いですよね。ただ、zacks rankの評価はかなり動くので参考程度にお楽しみくださいませ。