米国株の年末、2018年初頭のリスクを考えてみる

11月下旬、12月発表の米・経済指標と合わせてマーケットの先行きを予想します。

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アメリカの景況感は

ISM製造業景況指数、ISM非製造業景況指数、予想よりも若干下げました。ISM製造業景況指数は予想より-0.1pt、ISM非製造業景況指数は-1.6pt、下回る結果となっています。それでも50以上は景気が良いとされる水準です。

失業率については引き続き低水準が維持されているものの、なかなか平均時給が上がってこない点はやや懸念される点です。

イールドカーブは

2017年12月11日時点での米・10年国債の利回りは2.37%です。

参考:http://stockcharts.com/freecharts/yieldcurve.php

長期債になるほど利回りは上昇します。これは当然のことですが、稀に短期債~長期債に至るまで利回りが均一になる状況が起きます。

参考に2007年のイールドカーブ。その後、株価指数は急落しました。同様に2000年にもこのイールドカーブがフラットになる現象が起きています。

現在のイールドカーブには暴落を示す兆候は見られません。

S&P500指数の推移

S&P500指数、1ヶ月前より70pt近く上昇しています。

米国株式市場のリスクは

  • 税制改革
  • FOMC・政策金利の発表
  • 中東情勢

12月13日(日本では14日)にFOMCから政策金利の発表。またFRB・イエレン議長の記者会見が予定されています。CME GroupのFedWatch Toolによると90.2%が1.25-1.50%の政策金利を予想しています。株式市場の大きな乱高下は予想されにくいものの、前後での値動きは注意しておいたほうがいいと思います。

また米・税制改革、下院、上院で税制改革法案が可決しています。ここから下院案、上院案での擦り合わせ、大統領の署名までのプロセスを年内に実現できるかどうかも注目材料に。

直近1ヶ月で先行されたセクターは

参考:http://www.sectorspdr.com/sectorspdr/tools/sector-tracker

年初来より大きく伸びていたテクノロジーセクターが11月最終週に急落。一部の銘柄は下げ幅を戻していますが、まだエヌビディア(NVDA)やマイクロンテクノロジー(MU)などは株価が戻っていません。

テクノロジー株が下落した一方でConsumer Staples(生活必需品)セクターやFinancials(金融)セクターは大きく上昇。選好されるセクターが変わり始めているのかは注意して見ていきたいところです。

大型株から小型株までの傾向は

小型株2000(ラッセル2000)指数のチャートと赤線がNYダウ平均株価、緑線がS&P500。

先月に続き大型株が選好されています。

ですが、直近の強気相場を背景に近く年末、2018年初頭にかけて中小型株を物色する動きも出てくるのではと見ています。

NYSE総合株価指数のテクニカル分析

書籍「スイングトレードの法則 ──出来高分析で仕掛けがわかる」を参考にマーケットの先行きをNYSE総合株価指数(NYA)にて予想します。

インジケーターについて

※細かい説明が不要な場合は、次の見出しまで飛ばしてください。

マクレラン・サメイション・インデックスとプライス・モメンタム・オシレーターを使用します。

2つのインジケーターはTrading Viewにて確認が可能です。インジケーターを導入して自分で見たい場合は”McClellan Summation Index”、”Price Momentum Oscillator”にてインジケーターを検索してみてください。

マクレランオシレーターは「(値上がり銘柄数 – 値下がり銘柄数)の39日指数平滑移動平均 X 10% – (値上がり銘柄数 – 値下がり銘柄数)の39日指数平滑移動平均 X 5%」。マクレラン・サメイション・インデックスは当日のマクレランオシレーターを合計した日々累計。

プライス・モメンタム・オシレーターはROC(変化率)をベースとした指数平滑指標。

2つのインジケーターは共にデフォルト(標準)設定にてチャートを確認します。

NYSE総合株価指数から見る米国株の見通しは

1段目がSPYのチャート。
2段目がマクレラン・サメイション・インデックス。
3段目がプライス・モメンタム・オシレーター。

2段目、マクレラン・サメイション・インデックス、先月より持ち直しました。

3段目がプライス・モメンタム・オシレーターについても上昇基調に戻しました。

両方の点から年末、2018年初頭の強気相場を意識しています。

前回よりも見通しは強気に移行しています。

ただ最近の個別銘柄の値動きは激しさを増している印象です。前日に1%値を下げた銘柄が次の日には一転して2%上昇する、こうした値動きが特定のセクターに限らず発生している様に見えます。

11月下旬にはナスダック総合指数が急落。ハイテク銘柄が痛みを伴う大きな下落となりました。

突然予期せず大きな下落があったとしても、その時に持ち続けるのか、早めに損切りを決断するのか、ある程度の想定はしておいたほうがいいかもしれませんね。

最後までお読み頂きありがとうございました。お役に立てましたでしょうか。
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