5日の米国株式市場、朝に近い時間帯で相場を見てますが、少し戻してますね。悪夢の様な下落が続いた中で、今日は少しほっとした気持ちで朝を迎えられる方も多いのではないでしょうか。
ここでテクノロジー株の下落はこれは終わりなのか、それとも今日の戻しは一時的なのか幾つかの材料を見てみます。
私は急落のあったその日にインテル(INTC)を売却。エヌビディア(NVDA)を打診買い。そこからはまだハイテク株に慎重姿勢のまま機会を伺ってます。
私はテクノロジー株に対して現時点では肯定的な立場です。
税制改革とテクノロジー株
米テクノロジー株急落、金融株続伸の背景を読み解く-実効税率に格差
ブルームバーグによると米・税制改革が実現しても米国株の各セクター間によって実効税率は異なり恩恵を受けるセクターとそうでないセクターとがあると報じています。
テクノロジー株はセクター別で見ると3番目に低い水準。税制改革は実現しても減税の効果は少ないよと言うのが下落の一つの理由。
ただそれが売り材料、しかもここまで極端な下落になるのも不思議だと思いません?
下落の一つ目の理由にセクターローテーション、これまで物色されてきた銘柄が売られ、ここから選好されるテーマへの資金移動もあるとの報道がありますが、ここで下記10銘柄の予想PERを見てみます。
左上からマイクロソフト(MSFT)、マイクロンテクノロジー(MU)、アプライドマテリアルズ(AMAT)、ラムリサーチ(LRCX)、エヌビディア(NVDA)、
2段目、ウォルトディズニー(DIS)、ボーイング(BA)、JPモルガン(JPM)、ホームデポ(HD)、ダウ・デュポン(DWDP)。(zacksよりデータを引用)
予想PERは株価を一株当たり純利益で割って求めます。PERではなく、予想PERの場合は2017年度、または2018年度の一株当たり純利益の予想値を元に計算します。
予想PERが15倍でも20倍でもそんなに違いが無いのでは?
と思う人は、一株当たり純利益を$5で考えてみると株価が15倍か20倍でどう違うかのイメージになると思います。75ドルと100ドルの株価なら結構違ってくる。
上と下でどう分けたのかは、直近で大きく下げたテクノロジー株が1段目。
逆にここ数日、株価が大きく上昇したNYダウ構成銘柄が2段目です。
画像を見るとエヌビディアに割高感があるものの、そう変わらないですよね。もっと正直に言うならMU,AMAT,LRCXの予想PERは随分低い。
これは直近の下落で割安になったからではなく、その前から、ずっと株価が上がり続けていても予想PERはこの水準で推移していました。
これが例えば中国、インドなどのアジア圏のテクノロジー企業が徐々に存在感を増し始め、米国企業の売上が急速に落ち込む懸念が出てきたと言う話ならまだ納得。でも今回はそうした報道があったわけじゃない。
選好されるセクター、銘柄がこれから大きくシフトしていくとしても、そもそも他のセクターが割安で放置されている状況ではありません。そう考えるとここでテクノロジー株が終わったと考えるのはまだ早いかもしれません。
マイクロンテクノロジーに見る下落の矛盾
アマゾン.com(AMZN)やマイクロソフト(MSFT)等、これまで株式市場の上昇をけん引してきた銘柄が売られていますが、その中でも特にひどいのが半導体、半導体製造装置の関連銘柄。
マイクロンテクノロジー(MU)は直近の高値から15%以上落ちていると思います。
なんで知ってるかって?それは私がMUのホルダーだからですよ・・・。
さて税制改革のタイミングと合わせて、その数日前にモルガンスタンレーの顧客向けのレポートが発表されました。
Chip Stocks Tank on Morgan Stanley’s Soft NAND Price Outlook
レポートの原文ではないのですが、zacksの上記ページにて大まかな解説があります。
Chromeによる機械翻訳である点、ご了承ください。一部抜粋。
もう一つのメモリチップメーカーであるMicron Technology(MU – Free Report)も、NANDにほとんど晒されていないにもかかわらず格付けの格下げに直面した。モルガン・スタンレーが目標価格を引き上げた後も、昨日の株式価値は約3.3%低下した。また、金議長の主なセグメント(DRAM)の発言は、業績を上げることに失敗した。
金議長は、DRAMの需給動向が依然として同社に有利であり、DRAMの価格が2018年中頃に打ち切られるため、投資家はMicronについて心配するべきではない、と述べた。モルガン・スタンレーは株式に対する過体重評価を再確認した。
金議長はモルガン・スタンレーのアナリスト、ショーン・キム氏。
“目標価格(目標株価)を引き上げた後もー”とありますが、実際にはネガティブに受け止められてしまった様子。
別の材料を出します。
SIA(米・半導体工業会)発表の半導体の月次売上レポート。12月4日(日本では5日)に発表。
2017年10月の世界半導体売上高は371億ドルで、2016年10月の合計から21.9%の増加。先月の総額360億ドルを3.2%上回る304億ドルに。10月は世界的に業界最大の月次売上高を記録。
次の決算発表に期待が持てる内容です。
(引用:SIA)
画像右側、Year on Year Growth in %。Memoryの見通しも2018年は+9.3%成長の見通し。
おやおや?と思われている方がいたら、私も同じ気持ちかもしれません。
マイクロンテクノロジーを掘り下げて見てみましたが、ここ数日大きく下げたテクノロジー株やグロース株の可能性をもう一度考えてみたくなります。
そもそもの業績悪化を懸念して売られているわけでは無い点、バリエーションも割高ではない、半導体の見通しも堅調、それでも実体の無い恐怖に覆われてしまっているのが今のテクノロジー株の様に思えてきます。
もし買い戻しの動きがあるなら、どこで買うのがいいのか
- 底で狙おうとしない
保有していて保有を継続すべきか、売却すべきかではなく、これから新規で買う場合の視点で考えます。
“私だったら” 青線、25日移動平均線に向かってもっと株価が近づきつつある水準。エヌビディア(NVDA)を例に考えるなら$200近辺を購入の対象として考えます。
・上がった後にまた下がる
・一度上がったのは騙しで底は更に深かった
こうなる可能性もあると思うので、出来るだけ買い戻しの動きがしっかり確認できてからのほうがいいと思います。
5日の株式市場の値動きを見ながら、私もまだ慎重な姿勢。
最終的にどの選択が良かったと言える結果になるかはまだわかりません。
それでも今の相場の中に大きなチャンスが潜んでいないか、可能性を疑ってみることをお勧めします。