どんな米国株のスター銘柄だっていきなり時価総額が大きかったわけではありません。小さなところからずんずんと成長し、今に至っています。
さてそんな将来の大スターが生まれるかもしれない中小型株、私の視点でどんな傾向があるのかご紹介してみたいと思います。
ちなみに投資信託にも米国中小型株ファンドがあります。商品名に〇〇〇中型株式ファンド、〇〇小型成長株ファンドなどと表記があった場合は、同じ傾向があります。
米国株の分類について
まず時価総額について。
時価総額(じかそうがく、Market capitalization)、株式時価総額とは、ある上場企業の株価に発行済株式数を掛けたものであり、企業価値を評価する際の指標である。 時価総額が大きいということは、業績だけではなく将来の成長に対する期待も大きいことを意味する。
株価 X 発行済株式で算出。計算しなくても大丈夫。基本的に投資情報のサイトにはこの時価総額の掲載があります。
この時価総額を小さい~大きいまで分けて小型株、中型株、大型株に分類します。
zacks.comの定義する小型株、中型株、大型株は時価総額による分類です。
規模が大きいだけではピンとこないと思うので、銘柄を当てはめてみましょう。
これから米国株を始める人にとっては目の前にある米国株の選択肢はほとんが大型株です。
それも「超」がつくほどの大型株。
大型株の中でも最上位に位置するのがアップルやアルファベット、マイクロソフト、フェイスブックなど。
時価総額上位のアメリカ企業 | 時価総額 |
---|---|
アップル(AAPL) | 8193億ドル |
アルファベット(GOOGL) | 6522億ドル |
マイクロソフト(MSFT) | 5698億ドル |
フェイスブック(FB) | 4964億ドル |
アマゾン.com(AMZN) | 4640億ドル |
アリババ・グループ・ホールディング(BABA) | 4328億ドル |
バークシャー・ハサウェイ(BRK.B) | 4329億ドル |
(2017年9月13日時点)
今日の主役は中小型株なんですが、この中小型株、多くの人が知ってる銘柄は実はそう多くありません。
(他に、小型、中型で認知度の高い銘柄がありましたらコメント欄にて教えてくださいませ。)
小型株では最近上場したブルーエプロン(APRN)が1.6億ドル、
中型株はシェイクシャック(SHAK)は11.3億ドル、フィットビット(FIT)は12.4億ドル、ドミノピザ(DPZ)が90億ドルです。
米国株の中小型株にはどんな可能性がある?
- 将来のアップルやグーグルが見つかるかもしれない
- お宝銘柄が埋もれている可能性も
先にわくわくさせる良いほうの話から。
株価の伸びしろがあるのは時価総額が大きくて成熟した企業よりも、時価総額がまだ低い小型の成長株のほうが大きな可能性を秘めています。
また配当利回りが高いまま割安で放置されている銘柄も。意外とそれがスクリーニング(条件検索)で浮かび上がってくる場合もあります。
アメリカ株の中小型株は危険?どんな特徴がある?
- 短期的な値動きが非常に激しい
- 出来高が少ない銘柄がある
やっと言いたいところまできた!
ここからが私が常々感じているところ。まず短期的な値動きが非常に激しいです。
一日で2%、3%下がっても、まあそんな日もあるよねと考えられる器の広さが必要です。
5%だったら?10%だったら?あります。
私は投資対象として中小型株も含め始めてから半年ほどで計2回、一日で30%下落する状況を見ております。
これはやや極端なところですが、それでも特段、売り材料が無いのに、またマーケット自体も静かな値動きの中でもどどどどッと雪崩のごとく滑り落ちる銘柄もあったりします。
もう一つの注意したいポイントは出来高。
中には証券会社に取り扱いのある銘柄でも極端に出来高が少ない銘柄があります。
一日の出来高が200株であなたが保有する小型株が100株だとすると、ひょっとすると一日中、売り注文を出しても約定できないかもしれません。
極端な出来高の不足はマーケットが荒れたタイミングでどのような対応が取れるかわかりません。場合によっては購入時より大幅に値下げしなければ買い手不在なんてことにもなりかねないのでご注意を。
また注文方法も工夫が必要になる場合も。
上に挙げた大型株であれば「成行き」で注文しても、そう困ることはありません。
売り:$105 | 現在の株価:$100 | 買い:$99 |
ある中小型株の一例。ここで「成行き」で買い注文を出すと$105で約定です。一気に+5%も値上がりした状態であなたは購入することに。売り手は大喜びです。
出来高が少ないと、こんな風に売り買いの価格差が広がっている場合があります。中小型株で欲しい銘柄は指値で注文しよう。
ジム・クレイマー先生は時価総額に関わらず基本指値注文を推奨。
チャートで見る中小型株の値動き
さて、この中で一つ大型株があります。一つは小型株、もう一つは小型株寄りの中型株です。
見返す人は左上に答えがあるので見ないで判断してみましょう。
正解は
(1)ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)
(2)アプライドオプトエレクトロニクス(AAOI)
(3)ケメット(KEM)
アプライドオプトエレクトロニクスの時価総額は11億ドル、ケメットの時価総額は9.7億ドルです。
一見するとどう違うんだ?とかむしろケメットのほうが値動きが安定しているかに思えるかもしれませんが、右の目盛りを見るとその振れ幅の大きさがわかります。
ジョンソン・エンド・ジョンソンは$120~$136台の値動き。一方、アプライドオプトエレクトロニクスは$45~$100まで、ケメットは$11~$24台までの値動き。
このチャートの下から天井までを上手く捉えれば、中小型株は莫大なリターンを得ることが可能ですが、ともすれば株価が下り坂の局面では思いもしない痛手を負う可能性も。
さて、なぜそんな銘柄を欲しいと思うのか
なんて思われるかもしれませんが、これは逆で欲しいと思った銘柄が実は時価総額の低いこうした傾向を持つ銘柄だったと後で知る場合だってあるのです。
なかなか触ってる人も少なく、扱うのに難しいところはありますが、投資の可能性としては一つ面白い対象だったりもします。
これで一発逆転を狙おう!と言うのはお勧めしませんが、ポートフォリオの中にごく少しこうしたスパイスもあってもいいんじゃないでしょうか